【子どものボイストレーニング】幼少からの歌の訓練は有効か?

'21.09.23


これまで、大人だけではなく、幼児から高校生までのキッズからティーンのプライベートレッスンも受け持ってきました。

その中で至った結論からお伝えしたいと思います。

【子どものボイストレーニングについて】幼少からの歌の訓練は有効か?(結論)

音楽教育は耳が特に良い幼児期から始めることについて大賛成ですが、

幼児や小学生の低学年に対してはボイストレーニングより

【リトミック】が効果的です。

それでは、その理由をお伝えします。

音楽全般の基礎力を身につける大切な時期

リトミックで取り組むリズム運動というものは、音を聞いて身体を動かすことで、筋肉から脳に刺激を与えて音やリズムに対する感覚をよくしていくという、

『筋肉と聴覚の協働訓練』です。

脳や身体を作っていく大事な時期である乳幼児にとって、聴覚のみを鍛えるより、包括的に鍛えていくことで音楽の基礎を作って行った方が、ボイストレーニングにも楽器のトレーニングにとってもより有効です。

リトミックについて詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

【えいごリトヨガ】リトミックって?ーリトミックについて知ろう


自発的で継続可能な学びに必要なこと

幼児や低学年の小学生にプライベートのトレーニングを行なってきて感じたことは、

ボイストレーニングに必須のボーカルテクニックのためのエクササイズを、

「つまらない」「楽しくない」ものとして嫌々取り組む(もしくは集中できない)ことの方が多いです。

お子様が、

”歌が好きだから”と、興味を示したことや好きなことを伸ばしていくため、

もしくは

”声が小さくて心配だから”と、苦手なことを減らすために、

お子様のことを考えて親御さんがレッスンに連れてきてくださることが多いですが、

たまにお子様自身が「歌が上手くなりたい」と自ら希望してレッスンに来る子もいます。

でも、

どんなにレッスンにやる気がある子でも、

歌が好きな子も、

ボイステクニックを身につけるためのエクササイズに対しては、

その重要性を感じて取り組むというより、

どちらかというと「やらされている」感覚に陥りがちです。

楽しく取り組めるように、また目的意識を持てるような言葉掛けをしても、

どうしても、「つまらない」と飽きてしまったり、

ちゃんと取り組んでいたとしても「やらなきゃいけないもの」として

”我慢して”その場をやり過ごそうとする感じになることがとても多いです。


『嫌々させたり、我慢させたりして、無理やり取り組ませることは逆効果』

子供が『歌が好き』という気持ちを育てて、自発的に練習を取り組むように導くためには、

『嫌々させたり、我慢させたりして、無理やり取り組ませることは逆効果』だと考えています。

歌に限らず、何かを極めようと思った時には、難易度が上がるほど困難にたくさん直面します。

それを乗り越えるために必要な力は、自分のやるべきことに向き合って、地道に取り組んでいく力です。

基礎訓練を、

「ちゃんとやらないと怒られるから」とか、

「おりこうにしたら褒めてもらえるから」とか

「ご褒美がもらえるから」とかいうことが行動基準になっていては、

それを監視したり評価したりご褒美を与える人がいなくなった途端、やる気がなくなります。

こんなレッスンの例があります。

小学高学年の歌が大好きな女の子は、好きなアーティストに憧れて、自分も上手く歌えるようになりたい!と、

目を輝かせながらお母様に連れられてレッスンに来られました。

とてもやる気があり、利発な子だったので、

「うまくなるためには、〇〇ちゃんは今こういうポイントがうまく行っていないから

それをできるようになるために、こんな練習をしませんか?」と聞いてみました。

「うん」

ということで、早速取り組み始めましたが、

段々と顔つきが曇ってきて、そして

「私がやりたいのはこんなことじゃない」とお母様に訴え始めました。



憧れているスター姿になりきって、歌っているようなものを想像していたのに、

地道で地味なトレーニングで現実と理想が違ったということです。

一般的に多い対応としては、そこで子供を説得したり、我慢させて基礎練習に取り組むことだと思います。

でも、意志のはっきりとしたその子に対して、私が提案したことは、真逆でした。


「わかった。じゃあ、基礎練をやめて、ステージを意識した練習(ステージングと言います)をしましょう」と、

憧れや理想の姿に近づけるようなことや、興味を示すピアノも取り入れながら基礎力を鍛えるよう工夫をして取り組みました。

そのようなレッスンを数回続けたところ、あるレッスンの時に、そのお子さんから、

あるレッスンの時に、そのお子さんから、

「先生、前に嫌だといったエクササイズをまたやりたいです…」

と、なんと、自ら申し出てくれました!


たとえ、子供でも「自分に必要なことなんだ」と理解したら、

こちらから無理やりさせなくても、

自発的に「学びたい」という姿勢を見せてくれます。


その子の苦手としていた音程コントロールのトレーニングをみっちりと行うことで、その子は飛躍的に歌唱力が伸びました。



そこに至るまでは、無理強いせずに、他のアプローチで工夫しながら、待つこと。



それを大事にすると、

好きだけどできないことのために、

必要なトレーニングを自発的に取り組めるようになります。


その方が、学ぶ速度やトレーニングの効果が高いのです。



学びを可能にする原動力と乗り越える力

”好き”

”楽しい”

でも、「できない」

という、

アドラー心理学でいう本人の『課題』に直面した時に

”頑張ろう”と取り組める理由は、

難しいけど、やってて楽しくて好きだから という理由です。


幼少から厳しい訓練を行なって音楽大学まで卒業できたとしても、その後、音楽をやめるようなことも少なくありません。

もちろん音楽に限らず、学びを可能にするのは、

好きというエネルギー”が『原動力』となり、

そこに立ちはだかる壁を乗り越えてこれたとという”自己肯定感”を身につけることです。

将来キャリアを形成したり、自分の人生を切り開いていくために必要な力とも言えます。

ボイストレーニングとリトミックのレッスンの違いのまとめ

ボイストレーニング

ボイストレーニングは、身体や音色(声色)に対する耳や筋肉の感覚への内的観察と、調音(構音)、音程、音量などを微細に調整しながら発声のコントロール力を高めていくものです。

そうやってボーカルスキルを磨いていくことで色々な歌唱法が可能になって、初めて歌唱指導が入ります。

逆に言えば、「こんな表現方法で歌いましょう」と歌唱指導だけアドバイスを受けても、それが可能なスキルがないと歌うことができません。

ボーカルスキルを磨くためのボイストレーニングは、高い集中力が必要となりますが、

幼児期の集中力は、基本的に年齢+1分と言われています。


大人でもかなりの集中力が必要なボイストレーニングを、これから集中力を高めていこうとしている時期のお子様にするのは、

無駄にはなりませんが、あまり効果的ではない、と考えています。

また、心身の成長が日ごとに変化するお子様に、体の感覚がその都度変化していく中、発声のコントロール方法も逐一変わっていくため、成長が著しいお子様にとって大変でもあります。

リトミック

リトミックは、リズムや音程の音楽の基礎力や、音のイメージを膨らませるようなことを目的にしながらも

お子様の集中力が途切れないように工夫され、「楽しい!」「面白い!」が感じられるようなレッスンの内容にしています。

「ボイストレーニング(発声の基礎から鍛える)ではなく、ボーカルレッスン(歌を唄う)はどうか」というご質問もありますが、

更に音楽を楽しめる下地がついた状態からスタートすることで、その後に歌や楽器にもスムーズに親しんでいくことが可能です。

音楽の基礎力を鍛えるために、効果的で効率的なリトミックをお勧めします!


ニューヨークボイストレーニングのリトミックは、英語で行なっています。

英語xリトミックxヨガ で一石三鳥!?の親子で楽しめるレッスンです。

【えいごリトヨガ】について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

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