【ミックスボイス】ミックスボイス出し方

'21.09.18

ミックスボイスが出せるようになりたい!

それでは、どうやって楽にミックスボイスをどうやって求めていけば良いでしょうか?
早速いきましょう。

ミックスボイスのトレーニング方法 ー Cross Training

チェストボイス、ヘッドボイス、ミックスボイスというレジスターのバランスは、

ピッチ(音程)、母音(共鳴/フォルマント)、ボリューム(音量)によって変化します。

つまり、

出したい音程を『母音』と『ボリューム』を微調整することによってミックスを求めていきます。

大前提として、ミックスボイスのトレーニングは、ヘッドボイスとチェストボイスをそれぞれ楽に発声できていることが必須です。

※注意 両レジスターを違いを明確に発声できるトレーニングを行ってからミックスボイスに取り組みましょう。



それでは、具体的なトレーニング方法をお伝えします。

母音の調整によるミックスボイストレーニング

まずは、ご自身の出しやすい母音から取り組みましょう。

①Slide Down : ヘッドボイスからチェストボイスへ1オクターブのスライドダウン

高音が出しにくくなるブリッジの音程(=地声を張り上げないと出ない音程)より高い音程(男性だとC#4~E4あたりから/女性だとC#5~E5あたりから)ヘッドボイスで1オクターブ低い音程までスライドします。

できるだけゆっくりと、低い音程にかけてチェストボイスへとスライドを移行していきましょう。

スムーズに楽にできるようだったら、最高音と最低音が楽に発声できる範囲で音程を変えていきます。

②Bright Vowel : 同じ母音と同じ音程で、今度はチェストボイスの音色を『明るく』していきましょう。

その時に、唇のポジションをチェストボイスと比較して相対的に口角を軽く上げてスマイルの口にします。

明るいチェストボイスの音色=音質にライトさが加わったチェストミックスの音色です。

これも楽に発声でき、音色の違いを作り出すことができたら、色々な音域をエクササイズしていきましょう。

③Silde Up 1 : 低音から1オクターブ上までチェストミックスからスライドアップ

④Slide Up 2: 上記の③と同じパターンで、今度は低音をチェストボイスからスライドアップする

⑤All Vowel : 1〜4までを他の母音でも行う。



母音の響きを変えていくことは、フォルマントを変えて共鳴を変化させることに繋がりますが、

レジスターバランスを整えることにも関わっています。

◎フォルマントや共鳴が分からない方はこちらをご参照ください↓

【響く声の作り方】通る声とは? 共鳴について


何よりも大切なのは、レジスターバランス!

パワフルな重い質感の中低音の音域での音色=チェストレジスター

柔らかな優しい高音域での音色=ヘッドレジスター です。


チェストボイスの音色の中に「Softness(やわらかさ)」が混じると、ヘッドボイスのレジスターへと繋がっていきスムーズにヘッドボイスと行き来ができます。


その音量を楽な発声の状態をキープできる範囲で、少しずつ上げながら強化させていくことによって、ミックスボイスの微細なコントロール力を上げていくことができ、チェストミックスやヘッドミックスの発声が可能になります。


トレーニングの目的の根幹となっているのは、ある特定のレジスター(人によってチェストレジスターやヘッドレジスターなのかそれぞれ違います)だけが優位な状態を、まずは弱い方のレジスターを鍛えることによってバランスを整えていくと言う考え方です。


◎レジスターの音色の違いにピンとこない方はこちらを復習しましょう↓

【ボーカルレジスター(声区)を知ろう】①

レジスターサウンドとは?チェストボイス、ヘッドボイス、ミックスボイス(前編)



続いて、レジスターバランスを整える際に重要な要素があります。




「力み」は発声の上で1番の敵

CONSTRICTION is the big enemy of singing in CCM style

(somatic voice work℠より)

ソーティクボイスワークでも「力み」は発声の上で1番の敵となるものだと言っています。

締め付け感の原因は、発声時に嚥下に使う筋肉を使うことによっても起こります。

喉周りの筋肉を収縮させたままリリースできずに歌ってしまうと、音楽的にもボイスヘルス的にも発声の問題がでてしまいます。

締め付けなしにバランスの取れた音色を出せるような感覚を身につけるために、発声器官の調整を行いましょう。

チェックするポイントはたくさんありますが、中でも多くみられる問題を今回は3つお伝えしたいと思います。

このようなケースが当てはまっていませんか?確認してみましょう。

①タングポジションやコンディション:舌の位置が後ろに引き込んでいないか?もしくは、硬直していないか?

②口の開き:『あ』『え』『い』の母音の際に、下顎は楽に空いているか。口の開きが足りない場合が特に多い

③アーティキュレーション(調音/構音):表情筋を使いすぎていないか? 母音の調音に表情筋は関係ありません。ハキハキと発音するように指導を受けている演劇系の方が特に、唇を思いっきり後ろに引いて硬直させていないか、頬筋まで使いすぎていないかを意識してみましょう。


基本の母音のアーティキュレーション/調音(構音)方法については以下で紹介しています↓

【高音の出し方】ヘッドボイスを楽に出す方法

のブログ/YouTubeのどちらも中盤で(エクササイズ④)でお伝えしています。

どうぞご参考ください!



以上のようなレジスターバランスやアーティキュレーション(調音/構音)以外にも、発声時に必要なバランス感覚や意識する項目がたくさんあります。

  • 姿勢ー特にAO関節の頭のバランス
  •   ー肋間筋の支えと横隔膜の制限されていない動き
  • 呼気の強さや長さのコントロール力
  • 息を吸う際に力みがないか

また、レジスターや共鳴が原因ではない音色の調整

  • Breathy(息漏れ)
  • Nasal(鼻にかかりすぎた音)
  • Noisy(雑音が入る)

などなど。
それらを事細かく観察しながら調整していきます。

それではまとめに入ります。



ミックスボイスのトレーニング方法のまとめ

ミックスボイスのトレーニング方法、つまりレジスターバランスを整えるやり方は、

☆母音と音量を調整しながら細かな微調整で取り組んでいく

<母音の調整によるミックスボイストレーニング>

出しやすい母音から取り組み全ての母音で行う

①ヘッドボイスからチェストボイスへ1オクターブのスライドダウン

高音が出しにくくなるブリッジの音程(=地声を張り上げないと出ない音程)より高い音程(男性だとC#4~E4あたりから/女性だとC#5~E5あたりから)ヘッドボイスで1オクターブ低い音程までスライド。

できるだけゆっくりと、低い音程にかけてチェストボイスへとスライドを移行。

スムーズに楽にできるようだったら、最高音と最低音が楽に発声できる範囲で音程を変える。

②同じ母音と同じ音程で、今度はチェストボイスの音色を『明るく』する。

その時に、唇のポジションをチェストボイスと比較して相対的に口角を軽く上げてスマイルの口。

明るいチェストボイスの音色=音質にライトさが加わったチェストミックスの音色。

これも楽に発声でき、音色の違いを作り出すことができたら、色々な音域をエクササイズする。

③低音から1オクターブ上までチェストミックスからスライドアッップ

④上記の③と同じパターンで、今度は低音をチェストボイスからスライドアップする

☆その際に発声時の感覚を高めながら行う

ことが大切です。

発声が人それぞれ異なるため、

オンリーワンのこのやり方やエクササイズがあるのではなく

バランスの整え方は人それぞれです。

レジスターバランスを整えていくために

自分の声(聴覚)と身体の感覚(筋感覚)を同時に高めていく意識を持ちながら取り組んでいきましょう♪



最後に

『それぞれのレジスターを自由に発声できるボーカルスキルで


自分の思いのままに表現することができる


これこそが、歌の醍醐味だと思います。


レッスンで、チェストボイスやヘッドボイスなどのレジスターを鍛えたり、バランスを整えたりすることをボイストレーニングで取り組む中で、

「このフレーズ(または曲)は、どのレジスターで歌うことが正解ですか?」

と聞かれることがたまにあります。

でも、それは、ボイストレーナーの私や他のだれかが決めることではありません。


「あなたは、自分のボーカルスキルを使って、どう表現したいですか?」


これは、ボイステクニックの話ではなく、歌の表現の話になります。


歌詞やメロディや和音の響きから想像する世界観を、自分の声をどう使ってどのように表現したいか?


歌の表現の芸術性を高めていく作業はとても楽しく、自分らしさを発揮できる自由な世界です。


「表現したい」が先にきて、そのために必要なレジスターを自分で選び取りながら、思いのままに声で表現していきましょう!


色々な表現が可能になるためのボーカルテクニックを身につけていくボイストレーニングと、


たくさんの素晴らしいシンガーや色々な音楽を聞いて自分の音楽的なセンスやアイデアを磨いていくこと


どちらも同時に深めていくことがとても大事だと思います。


『より自由に、健康的に歌えるようになろう』

私自身、この想いをずっと抱えながら自分の歌やたくさんの生徒さんの声に向き合っています。

すぐにできないことがあっても、それもまた楽しさのうち。

思い通りに出来ないことがあるから、より好奇心と探究心が出て続けられる、とも言えます。

と言うことで、

これからも一緒に歌の世界を深めていきましょう!


近日中に、YouTubeで動画も公開予定です。

言葉より動画の方が伝わりやすいこともたくさんあります。

どうぞお楽しみに♪


長い文章を最後までお読みいただきありがとうございました!