【響く声の作り方】通る声とは?共鳴について

'21.09.17

声が通らない

声が小さい

響く声が出せるようになりたい

大きな声を出そうとすると喉が痛くなる

とお悩みの方に、自分でできる声の響かせ方や音量の上げ方についてお伝えします。

それでは、早速進めていきましょう♪


【響く声の作り方】通る声とは?共鳴について

響く声を出せるようになるためには、まずは『共鳴』についての理解が必要です。

共鳴とは、ソーマティックボイスワークの定義では『声の音響効果』です。

特定の音を増幅させるためのアンプ(amplication)の役割を果たします。

ボイスサイエンス上では、声道(Vocal tract)が変化することによって区別される周波数の成分(フォルマント)を指します。

フォルマント(表記はF1, F2は、声帯で生まれた音(声帯原音)がVocal tract(声道=声帯よりも上の喉や顔の空洞)を通る中で共鳴して、特定の周波数が強調された音です。

フォルマント周波数に応じて母音が変化します。つまり、共鳴は母音の形を変えることによって変化します。

そのため、共鳴は『母音の変化を形作るもの(vawel-sound shaping)』と言えます。

フォルマントは音声のスペクトル分析(ソナグラム)によって波形で表されます。

空間の形、つまり、共鳴(Resonance)を変えることができるものは、

舌/唇/軟口蓋/顎 などの共鳴器(Resonator)です。

それらの形を変えることによって、母音が変化します。

ちなみに、子音は、息の流れを止めたり弾いたりと妨害することで生まれます。

息の流れを調音器官によって妨害してできる「子音」と、フォルマントを変化させる「母音」を組み合わせることによって言葉が生まれます。

そのことは、調音(構音)= Articulation と言い、共鳴とは別物です。


それでは、母音の音色や声色(vowel timbre or color)をどうやって変化させていけばいいでしょうか?

同じ母音の音色や声色を変化させる方法ー通る声の作りかた

Vowel-Sound Shaping:

例えば同じ『あ』の口を

①相対的に口を横方向に開ける- Mouth Horizontal イメージは笑顔の口

②相対的に口を縦方向に開ける-Mouth Vertical  イメージはすすり泣く

③その中間の形にする – Mouth Neutral ニュートラルポジション

で発音してみてその変化を感じてください。

響きが変化して、同じ母音でも

①明るい 

②暗い

③両方

の響きになることがわかりますか?

①は、ツイーターやトレブルの高音成分が高まります。

②は、ウーファーやベースの低音成分が高まります。

③は、そのどちらの成分も感じることができます。

そのようにして、同じ言葉でも口の形を微調整することで音色が変わり響き方が変わります。

ニュートラルな母音のポジションから、①の相対的に口を横方向に開けることで高音成分が高まり

他の音に埋もれにくい、通りやすい声を作ることができます。

まずはニュートラルな母音の発音方法と通る声の口の形の変化の区別を作ってみて

話ごえや歌声をより①にするように意識してみましょう。

逆に、自分の声が甲高くて落ち着いた印象を持たせたい時には、②を意識して発音してみましょう。

ご自身の目的に応じて、微調整することで欲しい響きを出すことが可能です。



各母音のニュートラルの母音の作り方については、

【高音の出し方】ヘッドボイスを楽に出す方法

の④の各母音のアーティキュレーション(調音/構音)をご参考ください。



音量を上げるためにはー大きな声の仕組み

音量は吐く息の強さ(呼気圧)によって変化し、デシベル(dB)で表記されるものです。

吐く息を強めることで音量が出ますが、その時に無理に音量を出すと喉が痛くなることがあります。

それは、声帯を通る呼気圧と、喉頭筋のバランスが崩れるからです。

音量を大きくしようとする場合、喉頭筋のバランスが良い状態のまま強化させていくことが必要ですが、

喉頭筋そのものは自分で”動かそう”と意図して動かせる筋肉ではありません。

そのため発声器官、(調音器官)のポジションや使い方を調整しながら行います。

その中で、特に多い問題なのが

①舌根(舌のつけ根)が縮こまって固く動きにくい

②口の開きが足りない=下顎をおろす

③顎を引きすぎて頭のバランスが悪い

状態です。



人それぞれ姿勢や身体の使い方や発声の癖は違いますが、特に多くみられるこの3つの解決方法は、

①舌先を前に持ってタングポジションを後退させない=特にロングトーンの時に気を付ける

②鏡を見ながら、自然に下顎をおろせるところまで下ろして発音する=無理矢理大きく開けすぎると別の筋肉が緊張するので自然に

③頭蓋骨と頸椎の付け根をAO関節と言いますが、そのバランスが崩れると発声に悪影響があります。特に顎を引きすぎて喉頭部分が窮屈になっている方が多いので、発声時に顎を引きすぎないように喉元を長く楽にできるポジションを見つけましょう。



まとめ

声の響きは、共鳴によって変わります。

共鳴は声道(Vocal tract)を変化することで変わります。

その中で自分で変えられるのは、母音の響きです。

Vowel-Sound Shaping(母音発音の口の形)を調整することで通りやすい声を求めることができます。

音量そのものを上げるのは、呼気を強めることです。

ただ吐く息を強めようとすると余計な力みが出やすく喉が痛くなることがあります。

そのために、発声器官(調音器官)を調整しながらボイストレーニングを行うことで喉頭筋のバランスを良くして、音量をベースアップさせていくことが可能です。

ボイストレーニングの道筋はたくさんあり、レッスンではボイストレーナーは最適なものを選び取って色々な方法を試しながら、その方に合う方法を見つけてトレーニングしていきます。


今回は、その『判断基準』となる部分を知ることによって、ご自身で良いやり方を見つけていくために必要な知識をお伝えしました。

色々と試しながらその声の変化を感じ取ってみてくださいね♪