【いい声の出し方】理想の声って?

'21.09.02

「自分の声に自信が持てない」

上手く歌っている人を見て羨ましくなったり、

「あんな風に歌えるようになりたい」と思ったり、

「理想の声になりたい!」

「もっといい声になりたい!」

と思ったりしたことはありませんか?


そんな思いを抱えている方は、”どうやったらいいか” という 方法論や実践法 を探して、『正解』を探してしまいがちです。


『良い声の出し方』と検索したり、『良い声とは?』と調べてみると、

「〇〇しましょう」

「良い声とは〇〇です」

と、”正解”が書かれています。


でも、ちょっと待ってください。

それは本当に自分に必要なものでしょうか?

闇雲に How to にいく前に、

「自分にとっての”いい声”ってなんだろう?」

「自分が”理想とする声”ってなんだろう?」

という事を深堀りして、

『自分に本当に必要なこと』をあらかじめ分かってから実践に移った方が、

より確実に、自分の声の向上につながっていくことができます。


世界にひとつしかない、“オンリーワンの声”は、実は生まれながらに持っている


強い言い方かもしれませんが、

『オンリーワンの声』を求めるのは、意味がありません。



なぜか言うと、

自分の声帯、発声器官、共鳴器官などの

生まれ持った楽器(=自分の声)は、既に < 唯一無二 > だからです!

世界にひとつしかない、“オンリーワンの声”は、実は生まれながらに持っています。

その世界にたった一つしかない「自分の身体」を『楽器』にして歌で表現します。

”じゃあ、なんで自分の声は魅力的じゃないんだろう?”

と、悩んでいたら、

その原因は、

自分の声=楽器 の使い方が限定的だから

かもしれません。

限定的な使い方のクセは人それぞれ

そうすると、

いい声を出すために〇〇しましょう、と言う『解答』も人それぞれ

だから、いい声になるためには「これです!」という”正解“は、

実は、自分には当てはまらないことかもしれません。

じゃあ、どうすればいいか?


ボイストレーナーとしてさまざまな生徒さんの歌を見てきたり、自分自身のボイストレーニングや歌の公演を積み重ねてきて見出した事をお伝えします。

【いい声の出し方】理想の声って?

結論

①曲ごとの世界観を自由に表現できるボーカルスキルを持っていること

②自由自在なボーカルスキルを最大限に活かせる戦略(意図)があること

だと考えます。

それでは、詳しく解説していきます。

①曲ごとの世界観を自由に表現できるボーカルスキルを持っている

あなたは、大好きなシンガーでその声やスタイルになりたいと没頭できる憧れの人がいますか?

もし、いたら、そのアーティストのレパートリーをたくさんコピーをして声真似をしていきましょう。



でも、もし、好きなシンガーはたくさんいるけど、どのシンガーもそこまでの没頭してではなくて、”曲の好き”が先にくるという方。

一人のアーティストに限定せずに、好きな曲基準で、たくさんの曲をコピーして声真似をしていきましょう。

そして、その時に重要なことがあります。

多くのアマチュアシンガーが聞き取れていない情報は、

その曲の中で、そのアーティストがどのくらいの

音色や音量やアクセント、

ビブラートやストレートのロングトーンなのか、

他にも、

ビブラートにも波長の深さが違ったりかけ始めるタイミングや

エッジボイスからの音の立ち上がりや

息混じりにしたウィスパーを混ぜているのか、

など、しっかりと細部までを聞けていない事が多くあります。


素晴らしいシンガーは、たった1フレーズだけでも、たくさんのレジスター(音色)を使いこなしています。

音量も、ただ大きい/小さいだけではなく、フレーズを徐々に音量の上げ下げをしていたり、

もしくは、一音だけを際立たせていたりと、ダイナミクスの使い方もたくさんあります。


一つ一つのフレーズにたくさんの声の表現の要素があり、

それらのフレーズの集合体が曲(=メロディ)です。

一曲の中に、たくさんの声のグッとくる仕掛けがあり、それらはボーカルスキルです。


特に、”聞けていない状態”で、なおかつ喉に負担をかけている多くの例をお伝えします。

それは、

パワフルな歌声を、

=高音を地声で大きな声で歌っている 

と勘違いしてしまうこと。

実際は、ブリッジポイントを超えた高音でパワルフに歌っている音色は、

<<チェストミックス>>の音色です。

<< ベルティング や ベルトボイス >>という言葉がありますが

こちらも、ボイスサイエンス上では、

ただ、<< チェストミックスを強化したもの >> です。

そのためチェストミックスが楽に出せることが大前提で、

チェストミックストレーニングを取り組むことが必須です。


◎チェストミックス、ヘッドミックス、その他のレジスターサウンド(音色)って一体なに?

という方は、以下をご参考ください。


続いて、上の例とはまた違ったケースです。



最近、レッスンで台湾の生徒さんから、台湾で人気のWaa Weaという女性シンガーを教えてもらいました。

その方は、そのWaa Wei(ウェイ・ルーシュエン)の歌い方を真似して歌っていましたが、なんかしっくり来ないという感想。

実際聞かせてもらうと、Waa Weiの歌い方では、中低音域でもヘッドボイスとウィスパー(息混じりの音色をbreathyとも言う)を多用していました。

そして、生徒さんはチェストボイスにウィスパーを混ぜて歌っていました。

そのため、Weiの表現ができるように、中低音域でのヘッドボイスのトレーニングを行いました。

上記2つの例をとっても、1番目と2番目ではトレーニングする方向性が真逆です

つまり、理想の声や良い声は人それぞれで、その理想や向かう目標に応じての練習方法も変わります。

①曲ごとの世界観を自由に表現できるボーカルスキルを得るためのまとめ

さまざまな歌声の要素を細部まで聞き取って、それをコピーすることができること

その中で、必要なボイストレーニングを行うことでボーカルスキルを増やしていくこと


これがとても重要です。



人の好みはそれぞれ。

どんなに有名で売れているアーティストに対しても、人それぞれ好みありますよね?

「このアーティストは日本で/世界で人気だけど、自分はどうも苦手。。」

とか、

「周りの意見とは違っても、自分はこのアーティストが好きだ」

など。


こんな体験談があります。

NYのVillage Under Groundというクラブで毎週開催されていたオープンマイクに遊びに行きました。

世界中からの観光客や地元客が集まるなか、オーストラリアから来たという華奢で金髪の可愛らしい女の子が歌う順番でステージに呼ばれました。

その女の子が歌い始めたら、なんとブルースシンガーのオジさんのような(!?)ゴツくて低くて野太い声と歌い方!

その女の子は、きっと古典的なブルースが好きで好きで、それを聞いて真似しているうちに、そのような声になったのでしょう。

見た目と大きなギャップでした。

その歌声やギャップを

「好き」という人もいれば、

「何も思わない」人も

「好きじゃない」と思う人もいます。

でも、彼女自身は好きなアーティストやスタイルがハッキリとしていて、そうなりたいと望んでその通りになっているのなら、彼女自身ののSinging Lifeはハッピーです☆


『あなたにとっての理想の声って何ですか?』

それを、『具現化した言葉』で表現してみることをお勧めします。

それが難しければ、まずはコピーしたい曲の「グッとくるパート」はどんな音色ですか?

どんな音量でどんな装飾(冒頭あたりで取り上げたビブラートの掛け方やエッジボイスの例ですね)がされていますか?

好きな歌の『声の分析』から始めていきましょう♪


②自由自在なボーカルスキルを最大限に活かせる戦略(意図)がある

さらに、細部までの聞き込みとそれを表現できるように歌い込みを続けていくと、

さまざまな表現やボーカルスキルを持つことができます。

その延長線上に、『自分ならこうしたい』という感情は自然に生まれてくると思います。

なぜなら、同じ事が起こっても、そこに対する反応は人それぞれです。

同じ感情を抱いても、それをどう表現するかも、あなたの個性です。

同じ 「I Love You 」という言葉でも、

溢れる感情を高らかに言う人もいれば、

囁くような伝える人もいるかもしれない。


悲しみも、グッとこらえて言葉を絞り出す人もいれば、

大泣きしながら辛さを訴えるかもしれない。


同じ歌詞、同じメロディでも、

それをどう受け止めて、どう表現するかは、

『あなたの個性』です。


有名な曲を他のシンガーがカバーしてリリースされていますが、それらは、オリジナルの完全なコピーで歌ってるでしょうか?

コピーしたシンガーの歌い回しや、独自の解釈で、同じ曲が、オリジナルのシンガーの歌い回しとは違って聞こえませんか?

歌を通して、自分の感情を解き放つ事が出来る。

それは、とてもクリエイティブで病みつきになる楽しさです。

元から持っている唯一無二の自分の楽器を使って、

自分の気持ちを歌を通して自由に表現する

これこそが、歌の醍醐味だと感じます。

それを可能にするのが、①のボーカルスキルです。

②のまとめ:あなたに必要なボーカルスキルは、他の人と必ずしも同じではありません。

自分の歌声を好きになれるように、

自分の理想とする表現ができるために、

自分に必要なスキルを見極めて、そのトレーニングを行ってみてください。

何をどうすれば良いのか、分からない場合には、ボイストレーナーのもとで学ぶ事が一番手っ取り早いとは思いますが、もちろんそれだけが全てではありません。

これまでお伝えした視点を持ちながら自分自身で模索したり、

自分の歌を聞いてくれる人に意見を求めてみるのも良いかもしれません。

それでは、一緒に singing journey を楽しみながら続けて行きましょう!