【レジスターサウンドを歌に活かす】ために必要なこととは?

'21.04.04

この記事は、ボーカルレジスターの中で主軸となるチェストボイス、ミックスボイス(チェストミックス、ヘッドミックス)、ヘッドボイスを理解し発声できるようになった生徒さんから、多くいただくご質問をお答えしています。

 

レッスンで、レジスターバランスの取れるようになった生徒さんから「どのレジスターで歌ったらいいですか?」と質問されることがあります。

例えば、「この曲は、もしくはこのフレーズは、チェストボイスですか?それともヘッドボイスですか?」などという質問です。

 

ここで、誤解してほしくないとても重要なことは、どれかのレジスターサウンドがいい、もしくは悪いということは無いということです。

全ての歌の表現に正解、不正解があるわけではありません。

ただし、苦しい状態で歌ったり、歌いたい音程が歌えなかったりということがあると問題です。

 

チェストボイス、ヘッドボイス、ミックスボイスなどそれぞれの声区を”良い””悪い”というように思ってしまう方がいます。

歌をうたう上で、どの声区が正しい、間違っているということはありません。では、どのように判断しながら各レジスターサウンドを歌に活かしていくのでしょうか。

 

ボイストレーニングでは、全てのレジスターサウンド を自分でコントロールして意図的に発声できる状態、

つまり、いろんな音域を楽に歌える状態になる ということが何より重要として取り組んでいます。

 

そうすることで色んな音域での楽な発声が可能になり、歌においての自由な表現が可能になります。

さまざまなレジスターで発声トレーニングすることは、思いのままに歌えるようになるための「必要なスキル」を身につける為なのであって、そのスキルが身についた時に、それをどう使うのかは「自分自身」なのです。

どのレジスターで歌うのかを決めることは、自分自身で自由に決めていいのです。

 

「僕は/私は、こう歌いたい、こう表現したい」という思いがまず先に来て、それを負担のない楽な歌い方で可能にするには、どのレジスターサウンドで歌ったらいいか?という考え方の順序です。

そうすると、カバー曲の場合だと「オリジナルだとパワフルな声で歌われているけど、私は優しい声で語りかけるように歌いたい」ともし思ったら、

チェスボイス/チェストミックスではなくヘッドボイスやヘッドミックスのレジスターサウンド で歌う練習をするというようなイメージです。

 

レッスンでは、ボイストレーナー はガイド役であり、ニューヨークボイストレーニングでは、そのシンガーさんがどう歌いたいかを探っていくプロセスの中からその方の理想を共通認識して目標にしていくようにしています。そして、安易に自分の好みのスタイルの”歌いかたや歌い回し”を”こうしなさい”とは押し付けないようにしています。

ボイストレーニングは発声のスキルを身につけるためのトレーニングで、シンギング ティーチング(歌唱指導)とは別物だと考えています。

 

レッスン生の中には、ミュージカルや劇団の俳優女優の方もいらっしゃいますが、ミュージカルのプロデューサーは、劇全体で目指す理想に向かうべく、各ボーカルのディレクションも行います。

そのような’歌唱指導’に応えられるようになるために、’ボイストレーニング’が必要になります。

思い通りに歌えないという問題を解決するために、色んなアプローチを行ってスキルを磨くよう取り組みます。

 

その他のポップス、ジャズ、R&Bやロックなどの曲を「どう歌いたいか」を深めていくことは、芸術的な取り組みです。

つまり、芸術には正しい答えがあるわけでもなく、ボイストレーナーが正しい答えを与えるという考え方はありません

何より、自分自身の自分のセンスや経験や思いを声に託して唯一無二の表現に変えていこうとすることは、とても楽しい、ワクワクすることです!

 

ご自身でボイストレーニングを取り組む際も、声の名前を分類された「レジスターサウンド 」の種類を知り、

それを「聞き分ける力」を養って音色や音質の「分析」ができるようになるということが、ボイストレーニングにおいてまず第一ステップです。

それができるようになって、次にそれぞれのレジスターサウンドを出せるように「訓練」に取り組むというステップになります。

 

レッスンにいらっしゃる大体の方は、チェストかヘッドボイスのどちらかの声区が発達していてどちらかが弱い、だからブリッジポイントをミックスボイスで歌えない、レジスターごとの移行がスムーズに行えずに音色がガラッと変わってしまうという悩みを多く抱えていらっしゃいます。

 

ちなみに、執筆者であるボイストレーナー藤本は、ソウルシンガーやハーレムゴスペルサウンドに憧れてオペラや声楽のヘッドボイスサウンドの声を出すことを昔拒否していました。そして、高音域もチェストボイスのみで無理やり歌おうとして、悪い方向のトレーニング方法で結果、たくさん練習した結果、慢性的に声割れや裏返るようになり、最後にはそれまで出せていた高音が出なくなりました。

なので、レジスターバランスをとることができるようになるというのが、たくさんの生徒さんをみてきただけではなく、私の経験からもとても重要だと思っています。

 

各レジスターごとの発声の悩みの解消方法、トレーニング方法についてはまた別の記事でお伝えします。

 

また、その他の声区であるファルセット、ホイッスルボイス、フルート、ベルトボイス(ベルティング)、グロタルフライなどについても後続の記事でご紹介します。

ご興味のある方はどうぞご参考ください。

 

ボーカルレジスター(声区)について

レジスターサウンド【前編】チェストボイス、ヘッドボイス、ミックスボイスについての動画はこちら(デモ有);

https://youtu.be/7_EeIeBXTe4